
照りつける日差しに、外へ出るだけで体力を奪われるような夏がやってきた。
新体制で迎える2度目の夏。昨年は、8人になったtimeleszがどんな景色を見せてくれるのか、期待と少しの緊張を抱えながらその背中を追っていたように思う。しかし、あれから1年。冠番組にバラエティ、音楽番組、個人仕事と、気づけば8人の姿を目にしない日はないほど、彼らは日常の中にすっかり馴染んでいた。
そんな彼らが掲げた今回のツアータイトルは「MOMENTUM」。
その言葉通り、立ち止まって何かを確かめるというより、今ある勢いをそのまま次の景色へ繋げていくようなツアーだった。
もちろん、胸に残る歌も、忘れたくない瞬間もたくさんあった。それでも振り返ったとき、真っ先に浮かぶのは感傷よりも、ただ「楽しかった」という気持ちだ。
ここからは、2026年の夏、勢いのまま駆け抜けた8人と過ごした時間を振り返りたい。
※歌詞の解釈や曲の並びて唸っている部分は私個人の勝手な解釈です※
※投稿者は松島担になります。オリメン中心の感想が多くなります※
- ①オープニング
- ②Mighty Beast~Funny or Fake
- ③INTER
- ④We’re on the Top~half & half
- ⑤Rock this Party~We’re timelesz
- ⑥MC
- ⑦INTER(タイプロREAL?)
- ⑧GOOD TOGETHER~オーシャンビュー
- ⑨柔な理性~4分間だけ時間をください
- ⑩挨拶
- ⑪君の傘
- ⑫アンコール(レシピ~消えない花火)
- ⑬ 8人について、少しだけ。
- ⑭総括/あとがき
①オープニング
菊池さんのツアーのオーソドックスな流れとしては、OP映像があり、メンバー紹介があったのち、派手にセンターから登場するという、わりとアイドルライブのセオリーに沿った形式を採用することが多い。
ただ、ごくたまに神出鬼没に、会場のあちこちからメンバーが現れる形式を採用することがある。PAGESの登場なんてまさにそうだ。あの時は1曲目が「カラクリだらけのテンダネス」だったので、追われている怪盗のような格好で現れた。
今回は、メインモニターに映し出された時計が公演開始時刻を指すと、ステージ後方へと光が広がり、その瞬間、8人が会場全体を使ってさまざまな場所から現れる。しかも、公演ごとにランダムに。
厳密にいえば3パターンあって、最初のひとりが登場した時点でだいたいどのパターンかは分かるのだけれど、「今日は誰がどこから出てくる?」という遊びがコンサートの冒頭から用意されているのもよかった。
特に好きだったのは、センステからの登場。
今回はメンステ→センステ→バクステへと伸びる花道に加え、メンステとセンステにもLEDが仕込まれていて、上から見てもすごくきれいな演出になっていた。そのセンステに時計が描かれ、針のようにメンバーが中央に寝そべり、そこから起き上がるという登場演出がある。
勝利・風磨・周杜が担当していたパートなのだけれど、ここは自担の登場より好きだった。
②Mighty Beast~Funny or Fake
このツアーが始まる前から、ファンの間では早くも「1曲目は何だ」論争が起きていたが、私はアルバムが出てからずっと、1曲目はMighty Beast、2曲目はSteal The Showだと信じて疑っていなかった。
いやもう、歌詞があまりにも1曲目すぎる。
そもそもMighty Beastは、周杜の「今目覚める Break Out」で始まる。ツアーを前提に今回のアルバムを構成したという発言があった以上、これ以上「始まり」にふさわしい曲があるだろうか。いや、ない。
加えて、ツアー前から菊池さんはしきりに今回のテーマとして「勢い」という言葉を口にしていたし、菊池さん演出のツアーは、1曲目に派手で疾走感のある曲を持ってくることもわりと多い。そもそもアルバムやシングルの表題曲だけがOP1曲目になるわけではない、という傾向もあるので、個人的にはあまりにも「進研ゼミでやったところ」だった。
(ex:リペの「Unreality」、ザ・アリーナの「SUMMER FEVER」、ChapterⅡの「BUMP」)
そして何より、Mighty Beastは自担がのっけからオラついていて非常に最高なのだ。オラつき島聡さんでしか得られない栄養がある。
振りも比較的簡単だったので、初日から同行と踊り散らかしていた。
1曲目については古参オタクの間でもわりと予想が一致していた印象だが、2曲目は結構意見が分かれていた。ただ、私がSteal The Showだと思っていた理由は、これまたやはり歌詞だった。
Mighty Beastには「ここからがShow time」という言葉がある。ならば、その“Show”をそのまま引き継いでSteal The Showへ繋げれば、意味としても流れとしてもあまりにもきれいだと感じたから。まさしくその通りになった。
Mighty Beastで「今、目覚める」と宣言し、「ここからがShow time」と幕を開ける。そしてSteal The Showで、そのまま“主役をさらう”。
しかも、この2曲はどちらもフル歌唱だった。
timeleszのライブでは、序盤はワンハーフでテンポよく畳みかけることも多い。それなのに今回は、ツアー冒頭の2曲にしっかり尺を使い、最初から最後まで歌わせている。
ただ派手に、景気よくツアーを始めたいだけなら、もっと短く切って勢いだけを見せることもできたはずだ。それでもこの2曲をフルで置いたということは、単なるOPの盛り上げ要員ではなく、「目覚める」「ショーを始める」「その場の主役をさらう」という一連の意思ごと、今回のツアーの最初に提示したかったのではないかと思う。
そして3曲目がAnthem -episode 1-。
ここまで来ると、冒頭からずいぶん意志が強い。
Mighty Beastで目覚め、Steal The Showで主役をさらい、Anthemで今度は自分たちの旗を掲げる。
昨年のFAMが、8人になったtimeleszをまず見せる、あるいは8人としての形を作っていくツアーだったとするなら、今回はもうその段階にはいない。
「8人になりました。これからよろしくお願いします」と丁寧に名乗るのではなく、最初からアクセルを踏み切って、「ここから俺たちはもっと行くぞ」とでも言わんばかりに走り出す。
4曲目のDo Me Do Meで、ここまでの“意志ツヨ3曲”から少し空気が変わる。
Mighty Beast、Steal The Show、Anthemまでは、「今の俺たちはこう進んでいく」という8人側からの意思表示がかなり強い。そこにDo Me Do Meを挟むことで、決意表明一色だった空気に色気と遊びが入り、“ライブを楽しむ時間”へと舵が切られていく。
個人的には、今回のDo Me Do Meには、これまで菊池さん演出のライブでFreak your bodyが担っていた役割を持たせたいのかな、とも感じた。
Freak your bodyは、序盤のキメキメした空気を少しだけ緩め、色気や遊びを入れながら客席との距離を縮める、菊池演出においてかなり使い勝手のいい一曲だったと思っている。Do Me Do MeもFAMから続けて採用されていることを考えると、今後はこちらを同じような“ライブの定番曲”として育てていきたいのかもしれない。
とはいえ、Freak your bodyほど完全に砕けるわけではなく、Do Me Do Meにはまだ攻めた色気が残っている。そのため、MOMENTUMの勢いを落とし切らないまま、次の曲へ繋げられるのも、この位置に置く理由なのだと思う。
そして5曲目がFunny or Fake。
ここで一気にステージと客席の距離が縮まる。
メンバー同士はわちゃわちゃしながら歌い、客席はタオルを振り回す。さらに曲中にはメンバーそれぞれの挨拶も入るため、ここまで「俺たちを見ろ」と言わんばかりに走ってきた8人が、今度はこちら側までその勢いに巻き込んでくる。
そしてシンプルに、この曲はマジで目が足りない。
そもそも風磨不在の7人公演ですら、ステージのあちこちでメンバーが好き勝手にじゃれ合っていて、「わちゃわちゃでカワイイ曲だ、最高~」となっていたのだが、風磨が復帰した千葉6月12日公演を境に、カオス度が一段上がった。
復帰初日の風磨はとにかくテンションが高く、まるで大型犬のように花道を爆走。それ以降、Funny or Fakeはより一層、何が起きるかわからないハピネス空間と化していった。
ツアー後半には篠塚と聡のおんぶもたくさん見られて眼福。こういう“メンバー大暴れタイム”って、ただかわいいだけではなくて、8人の関係性が少しずつ深まっていることや、普段あまり絡んでいる印象のない組み合わせが自然にじゃれ合っている姿まで見えるのがいい。
新体制になったばかりの頃は、どうしても「この8人はこれからどうなっていくんだろう」と未来のことばかり考えていた。でも、こうして何の心配もせず、ステージ上で好き勝手に大暴れする8人を眺めながら笑っていられる時間が増えたことで、なんというか——オタク余生(オタク余生)も悪くねえな、と思った。
最初の3曲で8人の意思を見せ、Do Me Do Meでショーとしての楽しさへ切り替え、Funny or Fakeで客席までひとつにする。
振り返ってみると、この5曲だけでオープニングとしてやるべきことをほとんど全部終えている。8人から始まった“勢い”が、曲を追うごとにステージ全体へ、そして最後には会場全体へ広がっていくようなブロックだった。
③INTER
INTERの映像はツアーのティザーとして公開していたこちらの映像のフルバージョン。
質感はどこかrepainting Tourの映像を思い出すような、少し不穏で意味深なもの。8人それぞれがまったく異なる空間に置かれていて、何かに晒され、あるいは何かと対峙している。
将生は、8人分の椅子が並ぶ空間にひとり佇み、そこからチェアダンスへ。周杜は鳥の巣のような場所に閉じ込められ、炎に包まれながら、最後には花束を手にしている。聡ちゃんは砂漠のような場所で時計を持ち、まるで時の守り人のように立っている。途中で映る薔薇も印象的だった。
寺西は、無数の言葉が降り注ぐような空間にひとり佇む。風磨はたくさんの目と言葉に晒されながら麻雀を打ち、国士無双十三面待ち、一萬、キセル、煙と、とにかく象徴的なモチーフが多い。最後には空へと駆けていく。
嘉孝は水面でひとりコンテンポラリーダンスを踊り、篠塚は深い水の中へ落ちたあと、そこから必死に走り出す。そして最後に、勝利が日本刀で空間を切り裂く。
正直、この映像が一本の物語として何を意味していたのかは、最後まで完全には汲み取れなかった。
ただ、こうして並べてみると共通しているのは、“何かに対峙している”ことのように思う。
ひとりでいること、閉じ込められること、言葉や視線に晒されること、沈むこと、燃えること。それぞれ違う状況の中にいながら、その場に留まり続けるというより、そこから次へ進もうとしている。
「MOMENTUM」という言葉からは、どうしても速度や勢いを想像する。でもこの映像で描かれていたのは、むしろその勢いが生まれる直前の時間だったようにも見えた。
そして勝利が空間を切り裂いた先で、今度はユニットごとにメンバーが登場する。
8人それぞれの世界から、誰かと交わる世界へ。
そんな転換にも見えるINTERだった。
④We’re on the Top~half & half
We’re on the Topは、韓国修行の成果を感じられた曲でもありつつ、とにかく篠塚の成長をすごく感じた。
そもそもツアー序盤からかなりよかったのだけれど、公演を重ねるにつれて、ずっと肩に力が入り続けているわけではなく、適度に抜くところは抜くようになっていった。アドリブもどんどん増えて、表情も本当に豊かになったと思う。
そしてこの曲、単純に振付が好きすぎる。
会場内の松島担の中で、私が一番踊り狂っていた自信がある。同行の勝利担には「そっちがバカ踊りして盛り上がってくれてるから、私は安心して野鳥の会できる」とまで言われた。役割分担ができている。
レーザーを使った演出もかなりよくて、曲の持つ強さとステージの派手さがすごく噛み合っていた。
続くNo Map Just Vibesは、空間の使い方がおしゃれだった。
ただステージ上で踊るだけではなく、リフターを使ったり、小道具を入れたり。ユニット曲の演出は大方それぞれのユニットに委ねられていたようだが、音に余白のある曲だからこそ、単調にならないようきちんと見せ方を作ってくれたのがうれしかった。
2番にはそれぞれがフリーダンスをするパートがあって、たまにアドリブでWe’re on the Topの振りを入れてくる回があったり、2番頭のカメラを使った演出でも、一人のところへ駆け寄ってみたり、ちょっといちゃついてみたりと、思いのほかかわいさもある。
そして私は自担なので、どうしても松島聡ロックオンになるのだが。
かつてあれほどシャカリキに踊っていた聡ちゃんが、ここまで音の余白に合わせて柔らかく、少し妖艶な色気まで纏いながら踊るようになった姿が、あまりにも美しかった。
特に、音の取り方と余韻の残し方が本当におしゃれ。
鳴った音をただ身体で拾うのではなく、音が消えたあとまで動きの余韻を残す。曲の最後の一音まで逃さず踊っている姿を見ていると、LAでの経験を経て、彼のダンスがひとつ向こう側へ行ったのだなと感じた。
そしてhalf & half。
この曲は、風磨と寺西それぞれの人生の道筋を歌った曲だからこそ、バクステからメンステへ向かって歩いていくその道自体が、それぞれの人生を表しているように見えた。
中でも、マイクを持ち替える演出がとにかく好きだった。
風磨は最初、黒いマイクを持っている。しかし、「ブラウン管の中に~」と始まる2番のパートを前に、スタッフからSexy Zone5人でお揃いだったシルバーのマイクを渡される。そして2番のサビ前、そのシルバーマイクをスタッフへ返し、今度は8人お揃いのエメラルドグリーンのマイクを自分の手で取る。
一方、寺西はずっと黒いマイクを持っていて、同じく2番のサビ前に8人お揃いのマイクへと持ち替える。
風磨だけが一度、シルバーマイクを手にする。
たったそれだけの動作なのに、そこにある物語があまりにも明確だった。
Sexy Zoneとして歩いてきた過去は、なかったことにはしない。一度きちんとその手に取る。そして、そのマイクはスタッフ——大人の手へ返し、今の8人のマイクは自分自身の手で取る。
寺西は、彼は彼で己の道を歩いてきて、同じ地点で8人のマイクを手にする。
二人の歩いてきた道はまったく違う。それでも、最後には同じ色のマイクを持ち、同じ場所へ辿り着く。
菊池風磨と寺西拓人という、それぞれ単体でも最高のパフォーマーでありながら、ここでは派手なダンスや歌唱で圧倒するのではなく、曲そのものが持つ物語性で魅せたのが私はすごくよかった。
⑤Rock this Party~We’re timelesz
Rock this Partyは、ツアー序盤と後半で少し演出が変わっていた。
もともとは、ユニット曲というそれぞれの“旅”を終えたメンバーが、オリメン、寺原、ひよこの順にそれぞれの場所から現れ、最終的に8人が合流したところでRock this Partyが始まるという流れ。
この合流までの間にちょっとした寸劇のようなパートがあり、なぜか一瞬だけScent of No.9が流れる瞬間もあった。あれは結局どういう意味だったのだろう。いまだにわからない。
個人的にはこの寸劇っぽい演出も好きだったのだけれど、千葉公演あたりからだっただろうか、よりシンプルな演出へと変更された。
時計のリューズを巻く音とともに、止まっていた針が動き出す。そしてその針が、timeleszの結成日でもあり、Rock this Partyの振付にも登場する「2時5分」を指した瞬間、イントロが流れる。
これが私はかなり好きだった。
ユニット曲でそれぞれ別の場所を歩いていた8人が再び集まり、時計の針が動き出すことで、もう一度“8人の時間”が始まる。
もちろん最初の演出にも物語性はあったけれど、余計な説明を削ぎ落として、「2時5分」という数字だけで8人の合流とRock this Partyへの意味を繋げた後半の演出の方が、個人的には流れがすごく綺麗に感じた。
Rock this Partyとワンアンドオンリーは、昨年よりも明らかにメンバー同士のアイコンタクトが増えていた。
そもそもどちらも多幸感の強い2曲だけれど、去年からかなりやり込んできた曲だからこその余裕が出ていて、メンバー同士でちょっかいを出したり、顔を見合わせて笑ったりする瞬間が本当に多かった。
そこに、8人で一緒に過ごしてきた時間の長さと、関係性の変化みたいなものがすごく見えた。
昨年は、年上メンバーがひよこ組を安心させるように目を合わせていた場面が多かった印象だけれど、今年はそこが少し変わっていた。
ひよこ側からちょっかいを出したり、自分から視線を送りにいったり、何かを確認するためではなく、ただ「今楽しいね」を共有するためのアイコンタクトになっていた。
この変化が、個人的にはかなり熱かった。
そして最後のサビ、横一列になるところ。
配信では抜かれていなかったが、横浜公演あたりから、風磨と聡ちゃんがお互いにウインクし合ったり、妙にいちゃついている瞬間が増えていた。
もちろん私は双眼鏡で凝視。
そして毎回のようにバカでかい奇声を上げる。
やめろ。私の命がいくらあっても足りないから、そういうの。
We’re timeleszは、もはやライブではお決まりの一曲だけれど、だからこそ新メンバーの変化がすごく分かりやすかった。
それぞれの中で「ここではこれをやる」というお決まりのアクションが少しずつできていたり、カメラに抜かれた瞬間に何かをすることへの恥ずかしさが明らかになくなっていたり。去年よりもずっと、“見られること”そのものを楽しんでいるように見えた。
篠塚はもともと投げチューなんかも平気でバンバンやるタイプだったけれど、今年はさらにカメラの位置や、自分がどう映っているかまで意識できるようになっていて、見せ方がかなり上手くなったと思う。
そして将生。
ツアーもラスト2都市くらいになると、おもむろに服を脱ぎながら、トロンとした顔で「もっとちょうだい?」などと言い始めた。
私は爆散するところだった。
周杜はもう一挙手一投足がかわいい。何かひとつアクションを起こすたびに「かわいい」が更新されるので困る。
寺西と原も、初年度より明らかに遊びが増えたのがうれしかった。決められたことをきちんとやるというより、その日のテンションや周りのメンバーを見ながら、自分たちなりの遊びを少しずつ足していく感じがする。
こういう“お決まり曲”って、同じものを何度も見るからこそ、ちょっとした余裕や変化がよく見える。
そして風磨不在の7人公演では、本人の代わりにぬいやボードが登場していたのだが、聡ちゃんが花道を練り歩きながら、ふまぬいにキスしていた回があった。
しかも「チュッ」ではない。
「んーま」である。
一回ちゃんと溜めてからいくタイプのやつだった。
私は死ぬかと思った。
風磨、映像で見たか?
どんな気持ちだ?
⑥MC
MCは、個人的には7人の回も8人の回もそれぞれ面白かった。
もちろん風磨がいると、全体を見ながら話題を拾ったり、誰かの発言を広げたり、「回さなきゃ」という意識は相変わらず感じる。ただ、復帰直後のMCに関しては、それ以上に「聞いて聞いて」「みんなと喋れてうれしい」が全然隠せていなかったのがかわいかった。
特に復帰公演の風磨、あまりにも大型犬だった。
司令塔として場を回しているはずなのに、本人が一番はしゃいでいる。久しぶりにメンバーと同じステージに立って、くだらない話をして、みんなにツッコんでもらえることがうれしくて仕方ないんだろうな、というのがあまりにもダダ漏れで、こちらまでうれしくなった。
一方で、7人公演も普通に面白かったからこそ、この一年でそれぞれがMCの中で担える役割も確実に増えたのだと思う。
中でも将生。
一年前、あんなに声が小さくて、話を振られるたびにしどろもどろになっていた子がですよ。
オーラスの配信、皆様ご覧になりました?
風磨と「歯見せんな」でやり合えてますよ、あの子。
話を振られるのを待つだけではなく、自分から乗っかって、相手に返して、ちゃんとその場の会話の中で遊べるようになった。MCって歌やダンス以上に、その人自身の余裕やメンバーとの距離感がそのまま出る場所だと思うので、この変化はかなり大きかった。
そして周杜。
周杜がノっている回は、もれなく全部面白かった。
その最終進化形が、オーラスのカバンのくだりだったと思う。
そもそもの始まりは、寺西が持っていた新しいカバンを周杜が気に入って、「あれかっこいいよね」となぜか本人ではなくほかのメンバーに話していた、というエピソードを風磨が披露したことだった。
まずそこからかわいい。
本人に直接言うのではなく、別のところでこっそり褒めているのがなんとも周杜らしいのだけれど、そこから話がどんどん転がって、最終的には本当にカバンをもらえる流れになる。
生配信の告知でも「カバンもらうから!!!」と誰より高らかに宣言。
そして、いざ本当にもらえることになると、お目目きらっきら。
あまりにも素直にうれしそうで、こちらの母性まで爆発した。
そのうえ最後には、「じゃあお礼にチューしてあげるよ」。
確認だけど周杜、あなたメンバーとのスキンシップ苦手でしたよね……?wwww
この一年で周杜を見ていて、個人的にすごくうれしかった変化のひとつが、ものすごく“甘えんぼさん”になったことだった。
最初の頃は、どこかメンバーとの距離を測っているように見える瞬間もあったし、スキンシップも得意ではなかった。それが今では、こうして何かをしてもらうことを素直に喜んだり、そのうれしさを全身で出したり、挙げ句の果てには自分からチューまで申し出る。
「この人たちの中では、こんなふうに甘えても大丈夫」と思えるくらい、8人の中が周杜にとって安心できる場所になったのかなと思うと、それが私はすごくうれしかった。
聡ちゃんは、相変わらずマイナスイオン。
誰かが暴走していても、話がとっ散らかっていても、ふっと入る一言や笑い方で場の空気がやわらぐ。あの人がいるだけでMC全体の温度が少し整うというか、変わらないことのありがたさも感じた。
原も、去年より肩の力が抜けていたのがよかった。
昨年はどこか「会話に入らなきゃ」「笑いを取らなきゃ」と前のめりに見える瞬間もあったけれど、今年は無理に爪痕を残そうとせず、その場の流れに乗って自然に入ってくることが増えた。その方がむしろ原らしさが出ていて、見ていて心地よかった。
寺西は相変わらず“巻き込まれ型”なのだけれど、それもMCではかなりいい味を出していた。
個人的に忘れられないのが、北海道のフェスのときに山田涼介くんとご飯に行った話。「寺が一番モテそう」と言われたのがよっぽどうれしかったのか、その話をするときの寺西がめちゃくちゃニヤニヤしていて面白かった。そんなにうれしかったんだ。
あと意外だったのが、寺西は風磨のツッコミやちょっとした一言で、意外とクスッと笑っている場面が多かったこと。
自分から大きく絡みにいくタイプではないけれど、ふとしたところで風磨の言葉に反応して笑っているのが印象に残っている。こういう細かいやり取りが増えているのも、見ていてなんだかうれしかった。
そして篠塚は、風磨が暴走したときに一番ちゃんと制してくれるので、個人的には今後かなり期待している。
たぶん本人は、関西弁が強く聞こえることをずっと気にしていると思うけれど、大丈夫。
声張って風磨を刺しに行け!!!
あと、たまに佐藤さんから風磨さんへのバカでか感情が急に溢れ出す瞬間も好きだった。
「沈むときは一緒だよ」と当然のように言ったり、風磨のお守りを買うために朝早く起きたり。普段ずっとベタベタ何かを語るわけではないのに、ふとした瞬間に「この人に何かあったら自分も一緒に」というレベルの感情を平然と出してくるのが佐藤勝利なので、こっちは毎回「重」と思いながらありがたく浴びていた。
そして、それを風磨も茶化して終わらせるのではなく、ちゃんと受け止めているのがいい。
新しい5人との関係性がどんどん深まっていく一方で、こういうところにSexy Zone時代から積み重ねてきた二人の関係がふっと顔を出す。その両方を同時に見られるのも、今のtimeleszの面白さなのだと思う。
⑦INTER(タイプロREAL?)
INTERは、何かオモチーム完全サポートによる「タイプロREAL?」。
タイプロREALのパロディ映像で、公演ごとに内容がシャッフルされていた。
なんとか全員分見ることができて本当によかった。
個人的に特に好きだったのは、篠塚の回、聡ちゃんの回、そして周杜の回。
周杜の回なんて一度しか見られなかったけれど、あまりにもニカゲームすぎてずっと笑っていた。こういうところで急に周杜の天然が爆発すると本当に強い。
そして、この映像で何より意味がわからなかったのが、
なぜ津田健次郎を召喚できている????
津田健次郎って、ライブの合間の映像のナレーションなんて引き受けてくれるんですか????
何かオモ本体ですら時間帯移動に伴ってナレーションが変わったというのに????
さすがに豪華すぎて面白かった。
内容自体もかなり作り込まれていて、何かオモチームが本気で遊んでくれたことが伝わる映像だったので、多分全部円盤に入ると信じている。というか入れてください。
特に篠塚の回。
あれは勝利さんへのバカでか感情があまりにも分かりやすく出ているので、若しのの人たちは墓まで持っていく映像になると思う。
⑧GOOD TOGETHER~オーシャンビュー
このブロックは、個人的には今回のツアーの中でもかなり多幸感が爆発しているパートだった。
timeleszの持つ仲の良さだったり、8人で歌うJ-POPっぽい楽曲の似合い方だったり、今のグループが持つ明るさや柔らかさがこれでもかと詰まっている。
衣装もパステルカラーで、照明も全体的に明るい。その次に待っているパートがガラッと雰囲気を変えることもあって、このブロックの軽やかさがより際立っていたように思う。
まずGOOD TOGETHER。
これもまあ、目が足りない。
2番に入る前には、8人が一列になって人文字で「timelesz」を作るのだけれど、S担当の篠塚に対して、Zをやっている聡ちゃんがずっとお腹をツンツンしている。
なんで????かわいいけど。
さらに「Oh my god~」のパートで、肩に手を置いて一列になる振付。
ここで寺西がどさくさに紛れて聡ちゃんの首と肩の間をずっとくすぐっていて、私は舌を噛み切りそうになった。
しかもここ、配信にもちゃんと映っているので今すぐ見てほしい。
くすぐられた聡ちゃんに「もう!」みたいな顔をされて、それを見た寺西がご満悦そうなのも腹が立つ。あまりにもうらやましくて双眼鏡を投げかけた。
センステからメンステへの移動は、会場ごとの花道の長さによって少し演出が変わるのだけれど、花道が短い会場では、しのそうのパート前にほかのメンバーがアーチを作り、その中を2人がくぐっていく演出もあった。
これも最高。
しかもしのそうのパートでは2人が腕を組んでいるのだけれど、たまに篠塚がなかなか腕を離さず、そのままずいずい引っ張られていく聡ちゃんが発生する。こういう曲中の小さな遊びが公演を重ねるごとに増えていくのも楽しかった。
そして今となってはかわいらしい思い出だけれど、復帰したての風磨が全然場位置を覚えておらず、一人で迷子になっていたこともあった。
この曲は誰か一人を見ていると、必ず別の場所で何かが起きている。
歌そのものが持つ多幸感に、8人が自由にじゃれ合えるようになった今の関係性まで乗っかって、今のtimeleszらしさがすごくよく出ていた一曲だった。
続くNo Doubt !は、ツアー途中で演出がかなり大きく変わった曲でもある。
ツアー序盤は、曲の冒頭から頭上に電飾が降りてきていて、歌詞や音に合わせて細かく光りながら、その光の中で8人が踊る演出だった。そしてそのまま次のスーパーウーマンのイントロで電飾が落ちる。
これが私は、本当に本当に好きだった。
無数の光に囲まれながら8人が舞い踊る姿が、まるで星屑の中にいるようですごく幻想的だった。どこかSZ10THの「タイムトラベル」を思い出すような景色でもあって、今回のツアーでもかなり好きな演出のひとつだった。
ただ、横浜公演からだったと思うが、ここにも変更が入った。
聡ちゃんの「星に願うんだ」のタイミングで初めて電飾が降りてきて、「そんなの上等だ Just go get it」で一気に落ちる仕様に。
いや、わかる。
「星に願うんだ」で本当に星が降ってくる。
そりゃ客席は「うわあ!」となる。演出としてのわかりやすさと、その瞬間のインパクトは変更後の方がかなり強かったと思う。
そして、ふまそうのペアダンスも公演を重ねるにつれて、だんだん振付通りに踊らなくなり、ほぼ二人のいちゃこらタイムと化していった。
いや、それはそれでいいんだ。
おかげでBAILA様が超絶素敵な写真として残してくださいましたので……。ありがとうございます……。
で、でも。
私はあの、最初から星屑の中で踊り続けるNo Doubt !が、本当に好きだったのだ。
変更後の方が「星に願う」という歌詞とのリンクも明確だし、客席のWOWポイントとして成立していたのもわかる。それでも、曲全体を包んでいたあの幻想的な空気は、初期演出にしかなかった。
そして当然、円盤に残るのは変更後なんですよね……。
あの星屑の中で踊っていた8人が映像に残らないのだけは、やっぱりちょっと寂しい。
残してほしかったよ!!!!星屑No Doubt!!!!
そしてスーパーウーマンは、一気にわちゃわちゃ客降り曲へ。
静岡では、通路にいた菊池風風磨さんを見つけた聡ちゃんが、わざわざお辞儀していて笑った。風磨のものまねをしている人に丁寧に頭を下げる聡ちゃん、状況だけでもう面白い。
一方で風磨と周杜は、降りようかな……どうしようかな……と散々じらした挙げ句、自分のオタクを狙い撃ちして落としにかかるタイプ。
性格が出る。
そしてオーラス。私はちょうどバクステ側の縦花あたりを見ていたのだけれど、風磨がずっと原の方を見ながら、「来るかな、来ないかな」みたいな顔でニコニコ待っていたのがあまりにもよかった。
こういう、何をするわけでもないメンバー同士の一瞬に、今の関係性が見えるのもこのパートの好きなところだった。
スーパーウーマン自体、シンプルにすごくいい曲なので、正直ファンサ曲にしてしまうのはちょっともったいない気持ちもあった。
でも、ステージのあちこちでメンバーが好き勝手に動いて、オタクに構ったり、メンバー同士でちょっかいを出したりしている光景があまりにもかわいかったので、
オールおっけーーー!となりました。
そこからLove Letterで一転、会場が暗転する。
ここまでの明るくわちゃわちゃした空気から少し距離を置いて、今度はしっとりと歌を聴かせる時間へ。
縦花にメンバーが一列に並び、花道に仕込まれたLEDには歌詞が映し出される。照明も含めて全体的に幻想的で、派手な演出を重ねるというより、曲そのものに集中できるような見せ方だったのがよかった。
今回のアルバムは、前回に比べると、いわゆる“しっとり歌い上げるバラード”がそこまで多くない。だからこそ、ツアーの中にもこうして一度きちんと立ち止まって、8人の歌を聴かせる時間を作ってくれたのが個人的にはうれしかった。
そして、その空気をそのまま引き継いでオーシャンビューへ。
八百屋舞台に仕込まれたLEDいっぱいに海が広がる演出もすごくきれいだった。
何かを強く訴えかけるというより、それぞれが音に身を任せて歌っている感じ。Love Letterとはまた違う柔らかさがあって、波に揺られるように曲の中にいる8人が印象的だった。
そしてここでも、佐藤勝利さんを一番高いところに置く菊池さん。
やっぱり勝利さんはショートケーキのイチゴなので……。
8人の中で一番高い場所に勝利さんがいるだけで、画が完成するんですよね。
菊池さん、佐藤勝利を“象徴”として置くの本当に好きだなと思う。
GOOD TOGETHERの多幸感から始まり、星屑の中で踊り、客席へ飛び出し、最後は歌と海の景色に身を預ける。
同じパステル衣装のブロックなのに、ずっと同じ明るさで押し切るのではなく、その中にちゃんと緩急がある。
次のパートで空気が大きく変わるからこそ、ここまでの明るく柔らかなtimeleszの姿が、より鮮やかに残るパートだった。
⑨柔な理性~4分間だけ時間をください
そしてここから、空気が一転する。
さっきまでのパステルカラーと多幸感はどこへやら、会場が暗くなった瞬間に始まる大レーザータイム。
これがもう、めちゃくちゃいい。
音に合わせて無数のレーザーが会場を切り裂くように走って、一気に空気が張り詰める。
風磨だーーーーーー!!!!
こういう光と音を大量にぶつけて、一瞬でライブの世界観を切り替える演出を見ると、あまりにも「菊池風磨が作るライブ」なのである。
さらにここで、これまで何度も使われてきた八百屋舞台が、それまでとは反対方向に開く。
初日、思わず普通に
「すげーーーーーー!!!」
と声が出た。
今回のステージ機構自体は序盤からずっと見せているのに、その使い方を最初から全部出し切らず、曲やパートごとに少しずつ新しい表情を見せてくる。
ひとつの舞台装置を使い倒しながら、最後まで「まだこんな使い方があります」を残しておく。こういう、機構の見せ場を小出しにしながら絵を作っていく感じも、すごく菊池さんっぽい。
同じステージをずっと見ていたはずなのに、ここに来てまた初めて見る景色が出てくるのが本当に気持ちよかった。
そして、その逆さまに開いた八百屋舞台から現れるのが 柔な理性。
この曲はアルバムを聴いたときから、絶対に作り込んで見せてくるだろうと思っていた。
全員がベロアの赤いスーツに身を包み、ここまでとはまったく違う色気を纏って登場する。
特に松島さん。
濡れ髪。
ありがとうございます。
ただでさえ妖艶な振付なのに、濡れ髪で出てこられることによって色気レベルが天井値まで引き上げられている。非常によくない。もっとやってください。
そして一番好きだったのが、途中で寝そべる振付。
ここがモニターに8パラで映るのだけれど、まあ全員麗しい。
8人それぞれ全然違う表情で曲の世界に入っていて、一画面の情報量があまりにも多い。こういう楽曲で、それぞれの「魅せ方」を一気に見られる画が入るのもすごく好きだった。
風磨ちゃんのロングトーンも、この曲との相性が本当にいい。
今のtimeleszは、多幸感のあるJ-POPを8人で明るく歌うことも大きな持ち味になっていると思う。一方で、こういう少し歌謡曲めいた湿度や妖艶さのある楽曲もしっかりモノにできる。
曲が変われば空気までガラッと変えて、その世界にこちらまで連れていくような没入力は、Sexy Zoneから地続きで残っているtimeleszの魅力だと思っているので、この曲をここまでしっかり作り込んで見せてくれたのは非常にうれしかった。
そして柔な理性と絶対に並べてくるだろうと思っていたのが 革命のDancin' night。
イントロがかかった瞬間、
きたーーーーーーーーーー!!!!
となった。
柔な理性から革命。この並びはあまりにも正解。
しかも前回は段差のあるステージで披露していたので、今回は平場で8人がガッツリ踊る革命を見られたのもうれしかった。
やっぱり革命は平場が最高。
そしてダブルターン!!!
ここも公演を重ねるごとにどんどん精度が上がっていった。
復帰したての風磨は少しぐらつくこともあったけれど、福岡、仙台あたりではもう全員かなり綺麗に揃っていて、見ていて本当に気持ちよかった。
柔な理性で妖艶に魅せた直後、そのまま革命で一気に踊り倒す。
そして今回のツアーのベストパフォーマンスは、間違いなく Believers だった。
NOSUKEコレオ、本当にありがとう。
柔な理性も革命もわりかししっかり踊る曲なのに、そこからさらにギアを一段上げてBelieversへ入っていく。
しかも櫓の上で踊るので、構成もかなり複雑。立ち位置も移動も細かく、8人が立体的に動き続ける。
正直、配信で見たときには、生で見たときのあの感動が完全には伝わらなかった。
でも私は、あれを見るためだけに入っていたと言っても過言ではないくらい好きだった。
特に松島君が完全に“入って”いた。
表情も身体の使い方も全部が曲の中にあって、パフォーマンスが本当にバチバチだった。
特に好きだったのが、サビの振付と、その後の間奏。
中でも「we are one」で、マイクを持ちながら肩を落とす振付。
あれがもう本当に好き。
ただ力強いだけではなく、身体の落とし方にどこか妖艶さがあって、Believersという曲が持つ熱と色気が一瞬に凝縮されている感じがする。
そして革命をフルでやった直後に、このBelieversもフル。
体力どうなってるんですか。
それでも最後まで熱量を落とさず、むしろ曲が進むにつれてどんどんパフォーマンスが上がっていくのがすごかった。
篠塚の「瞳を閉じれば過去一周」のパートの5人も本当によかった。
あそこも構成がかなり細かくて、誰か一人だけを見るには惜しいくらい、全員の動きがそれぞれ見どころになっている。
だからこそ私は今かなり本気で思っている。
ダンスプラクティスを出してくれませんか。
ライブバージョンは、櫓の高さや照明、フォーメーションの立体感まで含めてひとつの空間芸術になっているので、正直映像にしただけではあの魅力は伝わりきらない。
かといってマルチアングルにするには、移動もフォーメーション変更もあまりにも細かい。
だったらもう、平場用にフォーメーションを組み直したダンプラという救済があってもいいのではないでしょうか。
それくらい、NOSUKEさんのコレオと8人の熱が噛み合っていた。
曲、振付、メンバーの熱。全部が重なったときにしか出ないあの感じ。
今回のツアーでベストパフォーマンスを一曲だけ選べと言われたら、私は迷わずBelieversを選ぶ。
ちなみに聡ちゃんは、いつも勢い余ってシャツのマジックテープをバッと開けてしまい、気づけば上半身が御開帳していた。
本人があまりにも無自覚なのがすごい。
そこまで含めて最高でした。
ここまで徹底的に“魅せる”ことに振り切った3曲を経て、RUN から少し空気が変わる。
RUNは、今回のセトリで唯一採用された前身グループ時代の楽曲。
とはいえ、すでに8人で再録もしているし、この一年の中で8人なりのRUNの物語も積み重なっているので、今となっては単純に「昔の曲を一曲入れました」とも少し違う。
そして、ここもフル歌唱。
柔な理性からBelieversまでは、どちらかというとこちらが圧倒的にパフォーマンスを“魅せられる”時間だった。それがRUNからは、少しずつこちら側へ言葉や感情を“伝える”時間へと変わっていく。
RUNで一気に会場の熱を引き上げ、そのまま4分間だけ時間をくださいへ。
正直、4分間だけ時間をくださいの持つあの熱量の隣に置ける曲を、8人がこれまで歌ってきた楽曲の中から選ぶとしたら、RUNしかないように思う。
ただ盛り上がるだけではなく、歌っている側の熱がそのままこちらに飛んでくる曲。
だから、この配置はかなり当然のように感じた。
そして地味に、RUNから4分間へ繋ぐ部分にも途中で演出変更があった。
もともとはRUNが終わると、メンバーがそれぞれリフターへ移動し、将生がリフターの上から4分間の冒頭を煽る流れだった。
それが横浜あたりからだったと思うが、将生の煽りまで8人がステージ上に固まった状態でやり切ってから、それぞれリフターへ移動する形に変わった。
私は断然こっちが好きだった。
一人で客席を煽るより、8人が固まった状態で会場に熱をぶつける方が、こちらまで伝わってくるエネルギーが全然違う。
実際、どこかの公演では将生がここで出し切りすぎて、その場から立てなくなってしまったこともあった。
そこに勝利さんが手を差し出して、将生を引き上げる。
激熱。
ああいう予定された演出ではない瞬間まで含めて、この2曲はステージと客席、そしてメンバー同士の熱がそのままぶつかり合うパートだったと思う。
そして最後が 4分間だけ時間をください。
この曲は北海道のFESで聴いてからすごく好きになったのだけれど、今回ライブで聴いて、さらに好きになった。
いわゆるバンド曲に対しては好みが分かれるのもわかる。
でも私は、この曲で彼らが一番伝えたいのは、サウンド以上に“言葉”そのものなんじゃないかと思っている。
ここで向けられている言葉は、私たち観客に対してでもあり、同時に彼ら自身にも向けられているように感じる。
だからこそ、メンバーがこちらに声を投げかけて、客席がそれに応える時間がすごくよかった。
公演を重ねるごとに客席から返ってくる声もどんどん大きくなっていって、そのたびに「ああ、これでこそライブだな」と思った。
ステージ上で完成されたものをただ受け取るだけではなく、こちらが声を返すことで初めて完成する瞬間がある。
柔な理性、革命、Believersと“魅せる”ことに徹した前半から、RUNで一気に熱をこちら側へ放ち、最後は4分間だけ時間をくださいで客席まで巻き込んで終わる。
このパートの流れが、私は本当に好きだった。
そしてこの曲は、多分これからライブの定番曲になっていくんじゃないかな。
特に煽りのパートは、今回だけで完成させるのではなく、これから何度もライブでやりながら、客席側にも少しずつ浸透させて育てていきたいのだと思う。
なので皆様、覚えましょう。
次にやるときには、もっと大きい声で返したい。
そうやって彼らとファンの間で少しずつ形が出来上がっていく曲になったらいいなと思う。
⑩挨拶
今回の挨拶で印象的だったのは、少しずつ“湿度”が変わっていったこと。
もちろん、まったく感傷がないわけではない。
でもSexy Zone時代の、豪雨みたいに感情をぶつけてくる挨拶とは少し違っていた。あの頃の言葉も私は本当に好きだったけれど、今回はもう少し晴れやかで、時折笑いまで生まれるような空気があった。
それが、すごく8人らしいなと思った。
心無い言葉とか状況とか、認めてほしいということより、今ここにいることをちゃんと楽しんで、その先へ進んでいく。
今回のツアー全体にあったカラッとした空気が、挨拶にもそのまま出ていたように感じる。
また7人公演では、最後の挨拶を将生が担当していた。
風磨の代わりに「全部うまくいく」と言っていたのも、すごくよかった。
その言葉を将生が引き受けていること自体に、この7人でツアーを走るという覚悟を感じたし、どこか想いのバトンを繋いでいるようにも見えた。
逆に風磨自身は復帰してからは、「全部うまくいく」とはあまり言わなかったように思う。
代わりに口にしたのは、繋いだ手を離さないでほしい、という言葉。永遠を願う言葉になった。
全部がうまくいくと断言するのではなく、うまくいかないこともあると知ったうえで、それでも「一緒にいてほしい」と言う。その言葉を今の風磨さんで聞けるのが、私はすごくよかった。
そして個人的に、今回かなり好きだったのが福岡の篠塚の挨拶。
「僕は成長できたでしょうか?」と客席に問いかけたあと、
「俺まだまだやれます!」
と、自分に発破をかけるように言った。
あれが本当によかった。
この一年であれだけ成長して、それでもまだ満足していない。
もっとできる、もっと上に行きたいという貪欲さや向上心を、重たく背負うのではなく、カラッとした顔で前向きに言ってくれる。
そこがすごく篠塚らしかった。
今回の挨拶は、次へ進むための言葉をそれぞれが置いていく時間だったように思う。
湿度はちゃんとあったけど最後にはちゃんと晴れている。
その感じが、今の8人にすごく似合っていた。
⑪君の傘
そして本編最後が「君の傘」。
アルバムを初めて聴いたときから、たぶん今回、菊池さんが私たちに一番伝えたいことってこの曲なんじゃないかな、となんとなく思っていた。
誰かの言葉 傷ついたり (Don't be afraid)
時には窮屈な 時代だけど (Believe in love)
そう 隣にいるだけで強くなれるから
この一年、彼らにもファンにも、言葉の矢みたいなものが雨のように降り続けた。
それこそ、ツアー序盤のINTERで、無数の言葉が降り注ぐ中にひとり佇んでいた寺西の姿を思い出す。
この先だって、きっとまた誰かの言葉に傷つくことはあるし、全部が思い通りに進むとも限らない。
だからこそ今回、風磨は「全部うまくいく」とは言わなかったのかもしれない。
その代わりに願ったのは、つないだ手を離さないでほしいということ。
雨そのものを止めるとは言わない。何も起こらない未来を約束するわけでもない。
それでも、雨が降ったら傘になるし、傷ついたときには隣にいる。だからこの先も手を取り合って、一緒に進んでいこう。
……プロポーズかよ?
いやもう、ほぼプロポーズなんですよ。
「何があっても幸せにします」ではなく、「何が起きるかはわからないけど、そのときも一緒にいよう」なの、私はこっちの方がずっと好き。
結局このツアーを通して風磨が私たちに伝えたかったことって、ここなんじゃないかなと思った。
⑫アンコール(レシピ~消えない花火)
アンコールは、レシピからスタート。
この曲は今後、個人的には「ぎゅっと」みたいな立ち位置の曲に育てていきたいのかなと思った。
振付も覚えやすいし、意外と周りを見ても一緒に踊っている人が多かった。こういう、ライブで何度もやるうちにファン側にも自然と振付が浸透して、イントロがかかっただけでみんなが同じ動きをするような曲になっていく気がする。
続くあくびはトロッコ曲。
もともとはメンバーが一人ずつ順番にあくびをしていたのだけれど、横浜あたりからだったと思う、一斉にあくびをする形に変わっていた。
あくび、トロッコ曲か……とは一瞬なった。
でもかわいかったのでよし。
そして横浜から追加されたBi Bi Bingo!。
はい、メンバーわちゃわちゃタイム。
目が足りないpart何回目?
アンコールなので全員かなり自由だし、とにかく楽しそうなのがよかった。特にご機嫌な風磨が腰を回して、その勢いで腹筋をペロンと見せた瞬間を目の当たりにしたときには、なんかよくわからない脳汁が出ました。
人間、本当に予期せぬものを見ると変な声も出ない。
そしてツアーの最後を締めくくるのが、消えない花火。
本当にいい曲をもらったなと思う。
ただ、ツアー序盤はまだ音源解禁前だったこともあって、この曲の見せ方はかなり試行錯誤していた。
突然「歌って」と言われても、
いや俺ら歌詞知らんが???
となる。
STAGEの「Stand out Speak out」以来の衝撃である。
公演によっては、花火が揺れるように手を振ってほしい、という煽りが入ったこともあった。たしか静岡だったと思う。
それでも最終的に、何か特別な参加方法を作るのではなく、シンプルに歌そのものを届ける方向へ振り切ったのは、私はすごくよかったと思っている。
そもそも歌詞が本当にきれいなのだ。
さらに、八百屋舞台と上部のモニターをフルに使って、目の前いっぱいに花火が打ち上がっていく景色もすごく幻想的だった。
ここまでツアーを通していろいろな表情を見せてきた八百屋舞台を、最後の最後には巨大な花火の景色として使う。
機構そのものを見せるのではなく、最後はその機構の存在すら忘れるくらい、ひとつの景色にしてしまうのもすごく好きだった。
映画の中でこの曲が持つ意味ももちろんある。
でも、それとは別にtimeleszのツアーの最後にこの曲を置くことにも、ちゃんと意味があるように感じた。
花火はいつか消える。
ライブも終わる。
一緒に過ごした時間だって、その瞬間にずっと留まっていることはできない。
それでも、そのときに見た景色や、一緒に過ごした時間まで消えるわけではない。
本編最後の「君の傘」が、「この先何があっても手を取り合って進んでいこう」という歌だったとすれば、消えない花火は、その先に積み重なっていく“瞬間”を歌っているようにも聞こえた。
だから、単純に新曲だからアンコールの最後につけました、という配置にはどうしても思えない。
あえて最後にこの曲を置いて、この夏の景色そのものを記憶に残して終わる。
そこには明確な意思を感じた。
それこそドームツアーで最後に「冬が来たよ」を置いたときのように、そのツアーをどんな余韻で終わらせたいのかまで含めて、最後の一曲を選んでいるように思う。
MOMENTUMという“勢い”のツアーなのに、最後に残ったのは、勢いよく駆け抜けていく姿だけではなかった。
その途中で8人と見た、ひとつひとつの瞬間。
そういうものを抱えて帰れる最後だったのが、私はすごく好きだった。
⑬ 8人について、少しだけ。
篠塚大輝
しのは、本当に成長が目覚ましかった。
去年のツアーからファンサはしっかりやっていたし、ライブそのものを楽しんでいる様子も見えていたけれど、今回一番うまくなったなと思ったのは表情管理。
ドームあたりまでは、カメラに抜かれた瞬間に少し表情がこわばることもあった。それが今回、ビジュアルもどんどん仕上がって、自信がついたのか表情のレパートリーもかなり増えた。投げチューひとつ取っても「抜かれたから何かする」ではなく、ちゃんと自分がどう映るかまで意識していて、より一層アイドル感が増したなと思う。
今回いろんなスタイルに挑戦していたのもよかった。
そして何より、そうちゃんをたくさん構っていただきありがとうございます。
しのそうのおかげで、本当にいいものをたくさん見せていただきました……。
今後ともよろしくお願いいたします。
猪俣周杜
前述の通り、周杜はこの一年ですごくメンバーに甘えるようになった。
キメるところをキメるだけではなく、曲中に自然とメンバーと目を合わせて笑ったり、自分からちょっかいを出したりする場面が明らかに増えた。それが私はすごくうれしかった。
そしてやっぱり、君はハイトーンが映える顔ですね。
たぶん去年までどこかにあった不安や緊張が徐々に和らいだからなのか、今回の周杜は顔にすごく自信が溢れていた。その自信がそのまま色気にもつながっていて、ふとした瞬間に「こんな顔するようになったんだ」と驚かされることも多かった。
かわいいだけじゃない猪俣周杜が、だいぶ世間にバレ始めている。
早くSNSでも周杜を全面に出して、若い子をほいほいしてください。
絶対できるから。
橋本将生
将生も、去年からの変化がものすごくわかりやすかった一人。
緊張が落ち着いたことに加えて、冠番組などで場数を踏んできたからか、MCでそのまま空気になってしまうこともかなり減ったし、自分から会話に入っていく姿も増えた。
パフォーマンスも同じで、どこか縮こまりがちだった部分が取れて、振付が以前よりずっとダイナミックになった。
ちゃんと自分の身体を大きく使えるようになったというか、「見られている」ことへの怖さが減ったように見えた。
あと、しょりしゅとが絡んでいるので若干見逃されがちなのだけれど、ワンアンドオンリーあたりでは実は勝利さんとめちゃくちゃじゃれている。
そして周杜とは相変わらずキャットファイトしている。
本当にかわいい。
去年は「大丈夫かな」と見守りたくなる瞬間の方が多かった将生が、今年は見ていて単純におもしろいし、かっこいい。その変化がすごくよかった。
原嘉孝
原も前述した通り、去年より気負いすぎなくなったのがすごくいいなと思った。
無理に会話へ入らなきゃ、笑いを取らなきゃ、と肩に力を入れすぎず、その場に合わせて自然に動いている方が、むしろ原の良さが出る。
一方で、ライブの熱を一気に引き上げる力はやっぱりさすがだった。
今回、風磨の休養もあって煽りをメンバーで分担するようになったけれど、Do Me Do Meや4分間だけ時間をくださいのような、テンションがグァーーーーッと上がる曲で嘉孝が煽ると、ライブ全体のギアがもう一段上がる。
あの熱量を客席まで一気に波及させられるのは、原嘉孝の大きな強みだと思う。
落ち着いていられる余裕と、必要なところで爆発できる熱さ。
その両方が見えたツアーだった。
寺西拓人
寺はやっぱりフラットだな、という印象がより強くなった。
どんな状況でも自分のペースを大きく崩さず、一定のリズムを持っている人。
でも去年よりは明らかに砕けたし、ふざける寺西を見る機会も増えたのがうれしかった。
そして、ちょこちょこそうちゃんといちゃついている。
うらやましい。
くやしい(?)。
パフォーマンスでもMCでも、必要以上に前へ出ようとはしないけれど、振られればちゃんと応えるし、自分の見せ場ではしっかり魅せる。そのコントロールができるところは、やっぱり経験値のある人だなと思う。
8人の中でも自分の立ち位置を無理に作ろうとするのではなく、いつの間にかそこに馴染んでいる。
寺西のそういうフラットさが、今のtimeleszにはかなり大事なんじゃないかなと思った。
松島聡
風磨不在の公演で、MCや挨拶を見ながら改めて「たくましくなったな」と感じたのが松島くんだった。
本当に、グループを引っ張っていく立場になったのだと思う。
でもそれは、言葉や姿勢だけではない。
今回特に感じたのは、パフォーマンスそのものでほかのメンバーを引き上げていることだった。
自分が誰よりも曲の世界に入り込んで、身体いっぱいに音を受け取って、それをステージ上で放出する。その熱に周りまで引っ張られているように見える瞬間が何度もあった。
1公演1公演、本当に全部出し切るつもりでぶつかってくれていたと思う。
だからこそ、その熱量をちゃんと受け取って、こちらもそれに応えられるファンでありたいなと改めて感じた。
あとシンプルに、今回の松島聡のダンスは本当に美しかった。
ずっと好きで見てきた人が、まだこんなふうに進化するんだなと思えることが、私はすごくうれしい。
菊池風磨
今回、初めて風磨さんがいないtimeleszを体感した。
そこで改めて思ったのは、やっぱりあなたの存在は大きすぎる、ということ。
屋台骨なんだと思う。
グループ全体を見て、流れを作って、何かあれば拾って、次へ進める。本人がいないことで初めて、「ここも風磨が担っていたのか」と気づくこともたくさんあった。
でも、戻ってきた風磨さんは、以前よりずっと軽やかに見えた。
全部を自分で背負わなきゃというより、メンバーに任せたり、甘えたり、自分自身もその場を楽しんだり。
それが今のtimeleszにすごくいい空気を作っているように感じた。
司令塔なのに、一番大はしゃぎして大型犬になっているくらいでちょうどいいのかもしれない。
これからも、そのくらい軽やかに8人の真ん中にいてほしい。
佐藤勝利
今回、勝利さんがひよこたちとアイコンタクトを交わしながら踊っている瞬間を目撃することがすごく多かった。
去年はどちらかというと、年上メンバー側から安心させるように目を合わせている印象が強かったけれど、今年はもう少し自然に、ただ楽しいから目を合わせて笑っている。
その変化が見られたのがうれしかった。
もう本人に「センターでなければ」という執着はないのだろうと思う。
それでもやっぱり、佐藤勝利が真ん中にいると画が締まる。
ショートケーキのイチゴなので。
あと地味に好きだったのが、メンバーがMCで話している横で、勝利さんがぼそぼそツッコんでいるところ。
Sexy Zone時代のキレキレのツッコミというより、本当に「ぼそっ」とつぶやく。
そして誰も回収しない。
そのまま会話が進んでいく。
あまりにも今のtimeleszすぎる。
別に全部拾ってもらわなくてもいいし、自分が会話の中心にいなくてもいい。その中で好きなようにぼそっと言葉を置いている勝利さんを見ていると、この人もずいぶん自然体になったんだなと思う。
それでも、必要なところではちゃんと真ん中に立って画を締めてくれる。
やっぱり佐藤勝利は佐藤勝利だった。
⑭総括/あとがき
ここまでずいぶん楽しく振り返ってきたけれど、実を言うと、ツアーが始まる前からこんなに晴れやかな気持ちでいたわけではない。
4月、北海道のフェスで8人のステージを見た。セトリもパフォーマンスも楽しかった一方で、MCではまだ互いの間合いを探っているような、少しちぐはぐした瞬間もあった。
新体制から1年。8人としての形は確実にできつつある。でも、まだ完成したわけではないのだと思った。
そんな中で発表された風磨の活動休止。そして、MOMENTUMは7人で幕を開けることになった。
グループ全体を俯瞰し、場の空気を読みながら流れを作る“司令塔”がいない状態で、7人はこのツアーをどう走るのだろう。正直、不安はあった。
それと同時に、少し楽しみでもあった。
誰かひとりがその穴を埋めるのか。7人がそれぞれ少しずつ役割を担うのか。それとも、風磨がいないからこそ生まれる、まったく別の形があるのか。
そんな不安と期待を抱えながら、私はツアー初日を迎えた。
でも、終わってみれば、答えは案外シンプルだった気がする。
誰かが誰かの代わりになる必要なんてなかった。
7人は7人でその時間を走り、その経験を持ったまま風磨を迎えて、そこからまた8人で走り出した。
だから風磨が復帰したときも、「元に戻った」というより、少し先に進んだ8人を見ているような感覚があった。
そしてもうひとつ、今回のツアーを見終えて、私はSexy Zone時代の楽曲をほとんど採用しなかったこともよかったなと思っている。
もちろん、Sexy Zoneの曲はこれからも歌い続けてほしい。あの曲たちは彼らが歩いてきた時間そのものだし、私にとってもこれから先ずっと大切な曲であることに変わりはない。
ただ、昨年のFAMで私がどこか物足りなさを感じていた理由を振り返ると、あのツアーにはSexy Zoneから現在のtimeleszへ接続する役割があり、同時にタイプロの延長線上として8人を見せる意味もあったからなのだと思う。
必要なツアーだった。
でも、私が次に見たかったのは、その先だった。
Sexy Zoneだった3人と、新しく加わった5人をどう繋ぐのかではなく、8人になったtimeleszが今から何を作るのか。
そして、菊池さんがこの8人を使って、今までとは違うどんなライブを作るのか。
今回のMOMENTUMには、それがちゃんとあった。
新しい曲を中心に、新しいステージ機構を使い、新しい組み合わせで、新しい景色を作る。
それでも随所には、私が長年好きだった菊池演出の匂いや、Sexy Zoneから地続きの表現力もちゃんと残っている。
過去を切り離すのではなく、でも過去を説明するためのツアーでもない。
ようやく「今の8人」をそのまま見せてもらえたような気がして、私はそれがすごくうれしかった。
アルバムを初めて聴いたときは、正直かなりJ-POP寄りだなと思った。
それまで自分がSexy Zoneに求めてきた、少し癖のある世界観やコンセプチュアルな楽曲とは違うものも多くて、最初からすべてが刺さったわけではなかったと思う。
でも、ツアーで演出がつき、8人が歌い、踊り、その曲の中で遊んでいる姿を何度も見ていくうちに、一曲一曲への解像度がどんどん上がっていった。
気づけば、今ではアルバムの曲が一曲ずつちゃんと好きになっている。
音源だけでは見えていなかった曲の表情を、ライブが教えてくれた。
それも今回のツアーで満たされた理由のひとつだったのだと思う。
昨年はまだ、この8人がこれからどうなっていくのかを、どこかで考えながら見ていた気がする。
でも今年は、そういうことを考える時間がずいぶん減った。
ただ笑って、踊って、圧倒されて、時々胸を掴まれて。
気づけば、目の前にいる8人をそのまま楽しんでいた。
たぶんそれが、私にとってこの一年でいちばん大きかったことなのだと思う。
MOMENTUMは“勢い”という意味を持つ。
でも今回見た勢いは、何も迷わず一直線に進む強さではなくて、迷ったり立ち止まったりしながらも、それでも次の瞬間へ進んでいく力だったように思う。
完成した8人を見た、とはまだ思わない。
むしろ、まだ変わっていく途中の8人を見られた夏だった。
そして私は、そんな途中の彼らを見ている時間が、思っていた以上に好きだった。
2026年の夏に見た瞬間を抱えて。
また、その先へ。
